カセットテープにボカロを録音!

昔散々やったテープへの録音。

 
今真剣にやったらどうなんだという話です。
 
ちょっと体調崩しまして、ベッドの上で書いてます。iPhoneで。なんかしてないと仕事を休んだ申し訳なさでどうにかなってしまいそうです。
 
前回、カセットの環境を手に入れましたが、ライトなオーオタの僕は高い機材をさらに揃えてって事にはあまり興味がありません。むしろ「何を」録音すると面白そうか?って言うことを考えてみました。
 
まず考えたのが、新しい音楽の録音です。カセットが全盛だったのは1980年代。'90年代になると、大規模CD店、MDなども登場し、ウォークマンもCDウォークマン、MDウォークマンとなっていきます。 必然的にカセットには入っている音楽というのはそれ以前のものになります。
 
そこに、今のネット音楽や当時なかったジャンルなんかを聴いてみると、どうなるのかというアイデアが出てきました。
 
1989年から21世紀へ大ジャンプです。
 
まず考えたのが、日本を代表するネット音楽。ボーカロイドです。
 
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僕はボカロ、大好きなんです。コンサートも数回行きました。あの一体感はまるでウッドストックのロックフェスティバルのようでした。果たしてカセットに録るとどうなるのか?です。初音ミクやその他のネット音楽には、アナログ盤というものがありません。レコードプレイヤーや、カセットテープってネットワークにないですもんねw。パソコン立ち上げて、デバイスにレコードプレイヤーがでてきたら、ちょっと驚きますよね。
 
となると、もしかしてカセットのボカロは世界初の試みかもしれません、ワクワクします。
 
 
代表曲のメルトを録音してみます。オリジナルレコーディングはネットにあります。もちろんダウンロードではありません。録音です。
 
メルトはCDやゲームにもなってるし、コンサートでもやるんですけど、プロデューサーryoさんの社会人時代の苦労話と、メルトを作るまでの話が好きで、最近はネットでオリジナルばかり聴いていました。ミックスが全然違うんですよね。ベースはゴリゴリしたピック弾きのリッケンバッカーみたいな音だし、ドラムはryoさんがよく聴いていたという、ブンブンサテライツのようなブレイクビーツになっています。いわゆるデジロック的な音です。プライマルスクリームとか、ケミカルブラザーズとか、ああそれも懐かしい。それに乗る甘ったるい初恋の歌詞と、普通の女の子のようなミクちゃんの声。間違いなく天才が作った曲です。カセット一曲目にふさわしい曲です。
 
さて録音。ドルビーとMPXフィルターはオフにします。MPXフィルターはFMの変調ノイズで、ドルビーが誤動作しないようにする回路で、ノイズが出ないネット音楽には必要ないです。録音ボタンを押して、キュースタート。最初はクリーニングテープなので、数十秒送ったあとに、音楽をスタートします。アンプにプラグインするようなノイズのあと
 
「♩らーららーらーらーらーらー」
 
とミクちゃんが歌い始めると、あの尖ったベースが入ってきて、高速ブレイクビーツがスタートします。これ、よくマッチしたなぁっていつも感心します。
 
うんうん、録音レベルもいい感じ。ドルビーオフなので神経質になる必要はありません。ドルビーを入れている場合、レベルを+1までに抑える必要があります。あれ、面倒なんですよね。大して効果もないくせに。
 
さてさて、始まりました。
 
モニターをテープに切り替えると録音された音がデッキから聞けます。3ヘッドのカセットデッキはこれができるので便利です。
 
なんか荒々しい。
 
コレが第一印象。DTM、デスクトップミュージックってロックを感じないことがしばしばあるわけなんですけど、わかりました。僕の考えるロックの音というのは、アナログのものなんだって。おっさんホイホイの極意はテープにあり。そんなわけないか。でも、あながち違うとも言えません。ジミ・ヘンドリクスとか、CDになったとしても、元がテープじゃないですか。その辺りの違いですかね。
 
最後のピアノが鳴り、曲が終わり、録音を停止します。この時はポーズで止めるとノイズが少ないです。
 
カセットをデッキから抜いて、ウォークマンに入れてみます。
 
カチャって音。カッコいいなこの音。MDやDATまではありました。MD、好きになれなかったなぁ。何ででしょう。わかります。CDと同じだからですよね。わざわざ録音するってのがよくわからなかったんです。DATは買ってないからわかりません。でも、装置が高くって気軽さがなかったと思いますね。
 
早く感想言えよって話ですが、正直なところ、メルトは期待したほど違いを感じませんでした。元々の録音が荒々しいからなんでしょうか。というか、驚きなのはそっちなのかもしれません。メルトはロックなんですね、元々。そんな気がしてました。
 
その後に録音した、ブラック★ロックシューターは全く別物でした。 
 
 
カセットからこんな音出るんだ!って驚き。そしてあの時代特有のウォームな音。ソニーってフラットで無機質な音って当時は言われてましたが、iPodの無機質さを前にしたら断然柔らかく、楽しい音。いつまでも聞いていたい音です。そういや、俺、いつまでも聴いていたなぁ、あの頃。気分で曲選びなんてしなかった。お気に入りをちゃんと選んでいた。
 
この曲ではギターの入り方やドラムのフィルインの生々しさは圧巻です。ストリングスなんかはメロトロンみたいな感じで、プログレみたい。
 
やるなぁ、ウォークマン。涙が出てきます。いやぁ、本当のノスタルジーって、これなんだって思いました。ボカロを始めてよかった。ちょっと遅れちゃったけどね。
 
不思議なもので、一回テープの音を聴いてしまうと、ネットの音もその音に上書きされてしまいます。頭の中で。刷込みですね。
 
つまりこういうことなんです。媒体や、フォーマット云々よりも、リアルに対峙しろよ!ってことなんです。
 
例えばショップで吟味したり、クラブで踊ったりするリアルさを感じるから、レコードはなくならないし、アナログ派を説き伏せられない。逆にポタアンに何十万もかけたりするのも同じです。好きな曲に手をかけたい。数値じゃ殆ど変わらないのにです。
 
より音楽を深く楽しみたい。そういうことなんですね。
 
この後、ボカロらしいクレイジーな曲、二次元ドリームフィーバー
 
 
や、他のボカロ曲なんかも60分テープに押し込んで、今殆ど毎日聴いてます。 
デジロック系のボカロ曲にウォークマンのメガベーススイッチを入れると狂ったような音になります。あの頃にはなかった低音までブーストされてしまって…。
 
iPod、全然使ってなかったのにこのハマり方…。
 
それにしても気になるのは…。
 
ウォークマン、壊れないだろうな…。
 
次回は、ウォークマンの故障について書きます。