OGRE YOU ASSHOLE

近所のパブに、ロックが好きなバイトの女の子がいて、勝手に店の音楽を自分の好きな曲にして、鼻歌をよく歌っていたのですが、たまにいい曲があって、僕もいい曲があると

 

これいいね、誰?

 

なんて聞いて、ちまちまダウンロード曲を買ったりしていたのですが、ある日、まったくツボのバンドが流れていたのです。

 

ええっ、これ全曲いいね。なんて言うの?

 

オーガです。

 

オーガ?

 

オーガユーアスホール

 

オーガ…アスホー…。

 

下品な表現ではあるが、意訳すると、まったくお前ら最高だな。みたいな意味かと。

 

そこはさておき、バンドの雰囲気は昔好きだったUSインディーズです。シンズとか、モデストマウスとか。でも何だか妙にテンポが遅かったり、シンセが入っていたりして、面白いサウンドだなと。

 

ふじふじさーん、オーガのライブ行きたーい。

でもこの日もこの日もこの日もバイトだし、この日は別のライブだし。

 

いつ行けるんだ。

 

しかし齢50近くになって、女子大生からライブの誘いなんかうけると思ってなかったよ。まぁでも行けないんじゃしょうがない。

 

しばらくして、また店に行くと。

 

「オーガのライブ、XX日ならいけるかもしれないので、行きたい。でもイベントなので時間がわからない」

 

そんなのハコに問い合わせて仕舞えば良いのですが、ラインやSNS以外は別世界の今の子は、そんなことできないのです。

 

場所は恵比寿のリキッドルーム。何度も行ったことあるし、イベントの問い合わせなんか何度もしたことがあります。変わったことといえば、今時は問い合わせがメールだと言うことぐらい。

 

で、問い合わせてみると、オーガの出演は夜中のようでした。車で行くかなぁ。

 

「行ける〜。行きたい。」

 

要するに何だ。希望を伝えれば、いろいろ手配、やってくれるんでしょ?みたいな。

 

やりますともはい。

 

当日は楽しく他のイベントとかも体験したのですがそれはそれで、とにかく、満を辞して、オーガ登場。

 

そして一曲目。

 

え?何じゃこりゃぁ!

 

ズォーンズォーンいうギター。狂ったシンセ、そう、これは。この音は…。

 

伝説のドイツのプログレッシブロックバンド、「アシュラ・テンペル」に間違いない。

 

だが目の前にいるのはマニュエル・ゲッチングや、クラウス・シュルツェではなく、日本の若者。

 

いったいどうしてこんなことが…。

 

つづく。