劇作しました
弟夫婦の主催する会社でライブイベントがあり、シナリオを書きました。
社長の義理の妹からは下記のリクエスト
探偵社のお話にしてください
「実は猫を探すようなことだった」みたいな話にしてください。
女性ばかりの探偵社にしてください。
役者さんのタイプは・・・。
ページは30ページ。朗読劇用です。
うーむ。朗読劇用シナリオなんて書いたことがないゾ。役者さんも面識がないので、どんな演技なのかわかりません。基本的な構成は「少年ジャンプ」です。成長モデルと言うやつです。
キャラクターを設定しました。
主人公:モデルは「ふじふじ」こと私と、先日なくなった友人。口八丁で適当なことを言っているようで、決断力があり、みんなを引っ張っていくタイプ。台詞回しは、友人とのLINE会話を参考にしました。
アシスタント女子:モデルはワトソン、アラサーのステロタイプ。繰り返される日常に辟易している女性です。変化を要求されることが多く、振り回されながらも、結局冒険につきあわされる。特に才能はなく、普通の人。
猫系女子:アニメ系のキャラクター、語尾に「にゃあ」をつける。猫を捕まえるのが得意。若くて奔放だが、才能がある。台詞回しのモデルは、ラブライブ!の凛ちゃん。
真面目女子:経営コンサルタント役。モデルはありませんが、会計事務所にいるようなタイプの人。この役は紹介されたタレントイメージで作りました。いい加減な空気の探偵社にゴリ押しされて、約束された将来を棒に振ってしまう、いわゆる「だめんず」タイプのアラサー女性。
変人:変わった性癖(ショタ)の人、自分の性癖に素直で、それを目的に行動する人。目的のために嘘ばかりついていて、いつもトラブルを抱えている。モデルはぁ。。。怒られそうなので言いませんが、名前は昔自分がつけたゲームのキャラ名でつけています。
これがメインキャラで、あとはシーンで数名配置。
お話は書き始めて3日で校了しました。ストーリー評価は上々のようでした。
その後何回かのリハを経て、25日、上演されました。
実演されてみると、いろいろ反省点がありました。
まず、大きかったのが主人公です。台詞回しが自分なので、自分がいいそうなことをセリフにしたのですが、このニュアンスは、伝わりにくい気がしました。役者さんが工夫されて、少し元気なキャラになりました。これはかえってよかったかもと思いましたが、いかんせんセリフが私と友人の会話調なので、元気さが加速しません。入らなかったろうなぁって思います。申し訳ない。
朗読劇に長台詞はあまり向いていない。映画や、お芝居ならいいのですが、会話の切り替えを早くしたほうがテンポが出るし、役者さんの表現力に依存したほうが良いと思いました。実際短いセリフを効果的に出す「ショタ」の女性キャラが立って、あれ、このキャラ好きだなぁって思っていたんですけど、現場でも思ったとおりになりました。
終盤、場の人数が増えたところで、群像劇となるのですが、ここの展開は理解されにくいなって思いました。各役者さんの各々のセリフが、一つのストーリーを追っていて、予定調和に進んでいくんですが、一人ひとりのセリフには脈絡がありません。これは各々の思いがバラバラなんだけど、何故かお話は進行するという不思議さなんですが、やるならもっとはっきりやればよかったって思います。もっとバラバラに。そうすれば、なるほど!となったかもしれません。
映画、カサブランカのボガードですね。あの映画ではバルコニーに出たボガードが、手を挙げると、楽団がフランス国家を演奏し始めて、これから反抗にでるぞ!って合図になるんですけど、演っているボガードは「この演技は意味不明」と言って、現場から帰ってしまったそうです。
「なんでここでこんなこと私が言うんでしょうか?」
この疑問が湧いてきてしまった。
ボガード然り、芝居然り「順撮り、通しリハ」で行きますので、皆さんはトリガーを探してさまよったようです。要するに不自然である。ということですね。ここは、不自然であることが自然。見る側から見ると、別々のパートの人が各々好き勝手に言っているのですが、自分のセリフや、隣接している現象にトリガーはありません。意外なところに引き金はあって、場から引いてみている人だけ、お話がつながるという仕掛けになっています。
実際世の中ってそうなってるんですけど、これはちょっと封印かなって思いました。稽古時間が長い芝居なら加筆修正しながら現場合わせをやることができるけど、ワンオフイベントにはもっとシンプルな方が断然通じますね。セリフ交換や、掛け合いのほうがスムーズだし、反応が良いんだろうなって思いました。
いろいろ反省はありましたが、自分が考えたお話が誰かを通して人に伝わるってことは得も知れぬ喜びがありますね。またやりたいなぁって思いました。