ラズベリーパイオーディオを試してみました

暇だったのと、知り合いがラズベリーパイにハマってというので、私も買ってみました。

色々調べてみたのですが、最新型のモデルでは対応しているDACが、あまり多くなさそうだったのと、配置が変わってるというので、敬遠して、一つ前のモデル、ラズベリーパイ3モデルBというのにしました。信頼の「RS」の日本製!5,440円。

 

フルサイズLinuixが5,000円の装置に入ります。ベルリンの壁の50ドルウォークマンと同じですね。

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セットで買うことも考えたのですが、今回はSDカードと、音楽用に256GBのUSBメモリ、OS用に32GBのSDカードを買いました。電源はとりあえず手持ちのANKERでいいかなと思って買いませんでした。

 

DACは6000円なのにDSD再生に対応していると言われるもの。WINGONEER DAC IIです。本当にそんなことあるんでしょうか。チップセットはいいみたいです。検証してみることにしました。でもなんだかRCAのピンジャックが曲がっていて、品質はイマイチです。

 

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僕のミュージックライブラリは、5年ほど前に全て320kbpsのMP3にしてあります。

 

当時はもう、PCオーディオは結構流行ってたので、FLACにもできたのでしょうが、1200枚あったCDを一括処理できないリッピングソフトでファイル化するのは途方も無いのと、資源食いの可逆圧縮方式が疑問だったからです。ロスレスでも良かったんですが、当時の持っていたMacBookのドライブが瀕死だったのと、ロスレスは汎用性がなくて、なくなったら即死なので避けました。結局CDは売ってしまいましたが、後悔はありません。

 

とりあえずそこはおいておいて、今回はこのラズパイ をミュージックサーバーにしようって寸法なのです。

 

でも実際は、僕のiPhoneも256GBの容量があり、ライブラリは全て入ってます。GOOGLEにもアップロードしてあります。なので、実質「今できてることをやるだけ」です。ただ、ラズベリーパイのオーディオってどんなものなのかな?って興味関心でしかありません。いい音だったら素敵ですよね。1万円ちょっとですよ?

 

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DACとラズパイ本体を合体させるとこんな感じです。40ピンのアダプタスロットに刺すだけ。とても小さいな!って思うんですけど、携帯電話のアーキテクチャなので、そう考えれば別にって感じです。この筐体に音楽専用のラズパイ用Linux、VOLUIMOを入れて、ミュージックサーバーとして使おうということです。

 

OSはSDカードに入れます。SDカードフォーマッタソフトでフォーマットして、イメージライターで書き込みします。Windowsでやりました。ここは楽勝です。

 

実はこの時、このDACの場合。このDACの会社から出ているチューンナップされたOSを使わなければならないそうです。嫌な予感がします。最初に入れた時はドライバがなかったです。入れたのは音楽専用と言われるVOLUMIOです。

 

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Claris

SDカードに入れて電源ケーブルを刺すと、自動で電源が入り、OSがインストールされて、WEBで操作できます。簡単なコンフィグをして、USBメモリに入った音楽を聴いてみます。

 

うーむ、普通かな。視聴に使ったのは、ClariSハイレゾFLACファイル。スピーカーはボザールのマーティ101です。この後タイムドメインライトに変えてみましたが、結構良かったです。いい音です。

 

試し聴きがうまくいったので、256GBをUSBメモリに一気書きして、サーバ化しました。

 

にしても、ラズベリーパイ3BのWifi、弱すぎます。アンテナピクトが、WiFi装置のある部屋ですら5のうち3ぐらいしかありません。聴きたい部屋に行くとWifiが途切れてアクセスできなくなります。2.4GHZなら結構飛ぶはずなのですが・・・・。たぶん不良品なのだと思います。

 

Amazonで買ったので返品はすぐできるのですが、なんと3Bの基盤の値段が二日で600円も値上がりになりました。そもそも3BのWifi性能がこんなものなら、損するだけです。とりあえず信頼できる電源を取り寄せて様子見したいと思います。

 

Wifiが弱すぎるので、TPLINKのUSBアダプタも入れてみたのですが、認識はするのですが、うまく稼働しません。これでうまく行けば返品しなくても良いかなとも思ったのですが、うまくいかなかったので、悩んでます。

 

結局いい電源を買っても、アンテナピクトは変わらず。全然ダメでした。

 

さて、肝心のDSD音源ですが、e-onkyoで買いました。ジャズギターバンドのジル・デコイ・アソシエーションです。恥ずかしながら、初めて知ったのですが、素晴らしいバンドですね。こんなお姉さんに歌われたら恋しますね。

 

https://www.e-onkyo.com/music/album/usm0573/

 

早速これもUSBメモリに入れて聴いてみました。人生初DSDです。

 

アレッ

 

音が途切れます。針飛びみたいな感じ。針飛びはだんだん頻度が高くなります。デジタルオーディオのよくないところというのはこういうところで、不具合が起きると、ノイズはバリンってなるし、音飛びはもろに欠損です。いい音というのはスムーズに出て、なおかつということにつきます。なので、せっかく素晴らしい演奏なのに、これはいただけません。MP3やFLACでは問題ないので、おそらくこれはDSD再生の問題です。

 

考えられるのはファイルサイズによるストリーム品質か、DACの問題ですが、ストリーム速度はUSB2.0以上のスピードが出ないラズパイ ではどうにもなりません。その先の接続は専用バスなので、これ以上良くはなりません。あとはDACデコーダの品質。これもチューンドOSの専用ドライバなのでどうしようもありません。

 

途方に暮れていたら、なんとかたどり着きました。CPUの処理モードです。ラズパイのCPU負荷が高まると、CPUがブーストモードになるらしいのですが、その切替の際にレイテンシが発生するとなっています。インテルのクワッドコアとか、iPhoneのA12Bionicみたいな、高性能かつ、余裕のあるアーキテクチャなら余裕なんでしょうけど、ラズパイにDSDのデコードは荷が重すぎたのかもしれません。

 

結局ハイレゾってこういうところがあります。ファイルと処理が重いので、問題発生すると装置の変更以外、どうにもなりません。金食い虫です。アナログであれば、我慢できるんですよ。致命的ではないので。

 

とりあえず、あちこちのブログを見ると、やはり同じ現象が出ている方がいて、動作をパワーセーブモードにすると安定すると書いてあります。あと、電源の強化。とりあえずパワーセーブモードを試してみることに。

 

もう、一日で何度ラズパイのOSを上げ下げしたことか。

 

途方に暮れます。モードを調べてみると、最高品質のパフォーマンスモードになっています。ノーマルのOSは普通モードになっているので、おそらくDACメーカーがチューニングして、CPUクロックがあまり変化しないようにしているのでしょう。でも所詮ダメです。オートの制御では必ずステップアップダウンしてしまって、結局そのたびに音が途切れるんでしょう。パワーセーブモードに切り替えましたが、いくらかマシになる程度で、ダメなものはダメでした。

 

クロックを固定値にすればいいのかもしれませんが、そうすると結局デコード品質がどうなるのかわかりません、最悪OSがハングしたりクラッシュする可能性もあります。厳密言えば、様々な余計な機能をOS側で無効にしてしまえばいいのかもしれませんが、コンフィグを書き換える気力が途絶えました。そもそもVOLUMIO、バグっぽくてコンフィグが戻んなかったりします。パッケージングしてくれよって思いました。

 

いやはや、シビアなもんですね。

 

で、結局どうなんでしょう。僕はコンピュータの会社に入って30年近い人です。問題解決も、検索も正直言って人並み以上です。音楽もとても好きです。この2つがあれば楽しめるのだと思います。

 

いろいろ書きましたけど、結構ワクワクしました。もう少し安定する装置だと思いましたが、やっぱりオーディオメーカのものではないので、そこはそれって感じなのかもしれません。でも、かつてのウォークマン一台以下の値段でこんなことできるってすごくないですか?

 

UNIXベースのOSをオーディオ装置が採用する日って近い気がします。もっと音づくりにに集中したいじゃないですか?